LOOK 875 madison RS インプレッション

こんにちは。

TBです。

今回は2年前くらいに購入したlook 875 madison RSのインプレション記事を書いていこうと思います。

始めに

そもそもなぜ今更875のインプレなんてと思った方もいるかと思います。

自分と個人的な付き合いがある方は、とっくに手放していた事を知っていると思いますし、まさかついにエアオーナーインプレ記事を書いてインプレッションを稼ごうと思っているんじゃないかなんて思う方もいるんじゃないでしょうか。

しかし、より深い付き合いの方はこう思うはずです。

『あ、こいつ875買ったな』

と。

そう考えた方、正解です。

正確には買い戻しました。

look 875 madison RS
2年ほど前にトラック合宿のために急遽買った look 875 madison RS

このブログを読んでいる方は見覚えがあるんじゃないでしょうか。
この875は、2年ほど前のトラック合宿を走るためだけに購入した自転車です。その後、トラック競技やピストヒルクライムに使われておりましたが、黒いcervelo P3の購入資金捻出のためバカオーナーの手によって後輩に売りつけられた可哀想な自転車です。

そんな自転車を今回その後輩から無理を言って買い戻させていただきました。

代わりにintro 7は後輩の元へ嫁いでいきました。

あんなに「intro7被らない!かっこいい!」と言いながらintro7を2台買ったりもしていたのに、何故このタイミングで買い戻しを行ったのでしょうか。

ピストクリテにも機材差は存在する

ロード界隈では当たり前のことを書いてますが、ピストクリテにも機材差が存在する事に気がついてしまったからです。

これに気がついたのは、最近開催している集団ピストクリテ練の時。
コースにヘアピンを作っているのですが、その立ち上がりで自分の方がダンシングを始めるのが早いかつ、自分は外からコーナリングをしているのでコーナースピードも大差ないはずなのに、何故か置いていかれるという事象が高頻度で発生した事です。

パワーやギア比の違いかとも思いましたが、自分より小柄な選手かつギア比は一緒だったので、どうやらそれも違いそう。
となると疑うのは機材。という事で、その選手に無理を言って軽く試乗させてもらうことに。

engine 11 sprinter

乗って一言。これは進むわ。

エントリーアルミエンデュランスロードからカーボンレースバイクに変えた時と同じくらいの衝撃を受けました。

以前こちらのブログでも書いた通り、intro7よりも昔乗っていたengine11 vortexの方が進む印象がありましたが、sprinterはその進む気持ちよさをさらに高めて若干スパルタンにした自転車というイメージ。ホイールがカーボンディープだったという要素もあると思いますが、この自転車に乗ってからは、intro7が突然柔らかくて全然進まないバイクかの様に感じるようになってしまいました。

柔らかいバイクもいいとは思いますし自分はどちらかというとそっちが好きですが、クリテを走るという名目だと鋭い加速か速度の伸びのどちらかは正直欲しいです。特に、私は立ち上がりで置いていかれることが多い傾向にあるため、機材でそこをカバーしたい気持ちがあります。

そこから悩みに悩んだ結果、お台場のためと自分に言い聞かせ、例の後輩に連絡を取り買戻しに至りました。

次章から、875を使ってみて自分の思惑通りに行ったかを含めてインプレッションしていきたいと思います。

インプレの前に

自分のインプレは、自分が乗ってきた自転車との相対比較になります。(自転車遍歴はこちらから
個人的な意見かつ、ピストのインプレ情報がネットに少ないため的外れなことを言っている可能性もございます。
また、ピストクリテ的レビューになるので、バンクでの良し悪しとは若干異なる可能性があることだけはご留意ください。
尚、intro7とは完全にパーツ条件を合わせてインプレを書いているので、そこの比較はしっかり出ていると思います。

インプレッション:硬さ柔め・伸び多め・コスパ普通

剛性

look 875 madison RS

875の踏み心地は、cervlo P3(T3)に似た雰囲気だ。

要するにそこまで硬くない。

もちろん、ロードバイクに比べれば硬い方(lookのロードモデルよりも15%ほど剛性が高いらしい)だが、いわゆるバンク向けのカーボンピストに比べると柔らかい。自分が乗ってきた中だと、DOLAN DF4よりは圧倒的に柔らかい≒踏み切れる。

かといって、レース向けに開発されていない様なアルミピストよりかは断然硬い。

自分が乗ってきたピストで硬さをわかりやすく書くとこう。

DF4>P3≒875≒sprinter(このゾーンは好みとパーツ構成で変わりそう)>vortex>>>intro7

ホイールやクランクが違うので参考程度に考えて欲しいが、P3は硬質で薄めのゴム、875は硬質のゴム、sprinterは薄めの鉄板を踏んでいる感覚。どれも踏み切れない程ではないが、踏んだ感じを表すとこんな感じ。
足への影響が少ない踏みご心地で、自分の中ではかなり高評価ポイント。
ただ、立ち上がりの良さは中の上。爆発的な加速をすると言うわけではないが、不満はなくintro7より断然進む。

表現としては柔いよりも粘るフレームというのが適切かもしれない。

伸び

look 875 madison RS

硬さと若干被る要素もあるが、ダンシングよりもシッティングが伸びる印象を受けた。
コーナーを立ち上がってからシッティングに切り替えて回すと、一気に前方との距離が縮まる。
実際、intro7と同じ踏み方で立ち上がり→シッティングを行うと、余裕で前走車を抜いてしまう。
ここが一番875を買ってよかったなと思ったポイント。それくらい公道での伸びの良さは感じる。


ただ、P3(T3)程の伸びは期待できない。
これは2年前に思ったことなので参考程度に思ってほしいが、バンクでの速度域では流石にT3(P3)の伸びの方が気持ちよかった。ピストクリテだと35km/h〜位がスピードレンジになると思うが、それくらいの速度域だと気にならない。
まさにcritモデル。

コスパ

ここまで割といいことばかり書いてきたが、コスパの面でいうと普通。ぶっちゃけていうなら中の下。

定価で言ったら30万ちょっとの自転車なのでもちろん悪い自転車ではないが、ピストクリテという落車に割と巻き込まれがちな競技に使うとしたら結構リスキーなんじゃないかなとは思う。また、完全にエアロに振った形状というわけでもないので、トラック競技に使うにしても中途半端だなとも思う。

結論:スペックに表れないフランス車の魅力を感じたければおすすめ

look 875 madison RS
結局プジョーも買いましたけども

昔古いプジョーを購入するか迷っていた時に、車屋さんに言われたことです。
まさしく875にも表れている気がします。

悪いバイクではないです。好みは分かれるかと思いますが、自分はこの乗り味すごい好きです。
買った時から自分の足にはあってるなとは思ってましたし、無い足を誤魔化すことはできるなとは買い戻してからも思います。

ただ、繰り返しますが、コスパで言うと若干微妙な自転車だと思います。
今回は普通に買うよりはお手頃だったので問題ないのですが、もし自分にツテがなければ30万円でsprinterといいパーツを揃えてピストクリテに出ますし、トラック競技なら中古のT4とかDF4とかを買うと思います。

乗り味がマッチして、LOOKの世界観への共感ができ、経済力(またはツテとタイミング)がある方には、自信を持ってお勧めできるバイクです。

もし興味があれば使ってみてください。

おしまい。

余談:engine11のコスパは最高だが、買うのに躊躇する

875を購入して気づいたのが、engine11の凄さ。
voltexを所有していた時から薄々気がついていたことだが、875を購入し、sprinterを試乗してから改めて、engine11のコスパの良さを知る。

engine 11 vortex
昔乗ってたvoltex

ぶっちゃけengine11が欲しい。
上にも書いたが、カーボンフレームをピストクリテで使用するのはリスキーだと思う(特に自分みたいな最後尾にいることもあるレベルのライダーだと余計に)。
ただ、ピストクリテ会場だと溢れかえりすぎていて、即購入はちょっと考えるというのが正直な感想。
ロードで言ったらspecializedみたいな地位にあると思う。
これが自分の購入の意思決定を阻害している要因にある。

そもそも、アルミでそこそこお手頃かつ、よく走る自転車の選択肢が少ない。
と言うよりも、知る機会が少ないというのが正しい気がする。
レース会場でみるロードであれば、大体2〜3本くらいはレビュー記事がネットに転がってるものだ。
しかし、ピストに関しては、トラック競技もピストクリテも機材レビューって無い。
競技人口の差だとは思うが、フレームの素性を知れる場がもっとあったらフレームでの個性を出しやすくて面白いんじゃないかとは思う。
そう言った意味で、今回の875はピストクリテ的レビューブログにしてみた。

が、書いてみてやっぱりengine11が欲しくなったよという結論に至る。

今後もピストクリテ的レビューは増やしていければと思う。

ほんとのおしまい。

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